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永竹由幸先生が亡くなられました。

 

残念な訃報です。3年前から我がオペラ・プロジェクトに来て頂いて、イタリアン・バロック・オペラから同近現代のオペラまでと、とても貴重なお話をして頂いていて、昨年11月に「20世紀のイタリアオペラ衰亡史」~メロディーを失って、また取り戻したイタリアオペラ~と題してお話し下さったオペラ研究家で、日本のオペラ界に数々の業績を残された永竹由幸氏が5月9日未明に亡くなられました。私が永竹氏と初めて会ったのはスカラ座の天井桟敷で。あの頃久しぶりにスカラに戻ってきたカヴァイヴァンスカの「トスカ」に辛口が激しく、初対面同士で口論したのを思い出します。ご冥福を心から祈ります。小林一男

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ルイザ・ ジャンニーニ(ソプラノ)特別公開レッスン

 

今年度、前期に3人の著名なソプラノによって、声楽の特別公開レッスンが、リレー状態で実現されることになり、その一番バッターとして、イタリア人ソプラノ、ルイ―ザ・ジャンニーニ( Luisa Giannini)女史の特別声楽公開レッスンを開催します。ジャンニーニさんはイタリアは、ヴェネト州のカステルフランコ、フィレンツェのケルビー二の両国立音楽院を最優秀で修了しています。オペラの舞台では非常に広いレパートリーを誇り、オーケストラ作品なども世界中のオーケストラと共演して、1999年よりアドリアのブッツォラ音楽院をはじめ、ブラジルやイタリア国内での教鞭、マスタークラスなどを行い、その指導法が非常に丁寧で、話題になっています。大学院生などが中心となる今回の公開レッスンでは、まさに受講生たちが現在、モーツァルトからベル・カント、それにプッチーニ、ヴェルディ―までと取り組む場面に、うってつけのレッスン体験となる事でしょう。

・5月16日、水曜日、17時から、
・国立音大新1号館のオペラスタジオ
・ピアノ伴奏、河原忠之先生、
・通訳は、本校卒業生で、イタリア・パルマでの活躍の後、日本でも活躍中のソプラノ歌手、須崎木の実さん

どなたでも聴講できますので、たくさんの皆様のご来場をお待ちしております。

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ボッカッチョの時代の音楽

 

2012年度活動の基調講演として恒例の戸口幸策先生にお話を頂きます。先生は1927年の生まれで、成城大学名誉教授、西洋音楽史、特に中世世俗音楽と初期オペラの研究を専門として、著書として「オペラの誕生」他多数、また翻訳として「イタリアのモーツァルト」、「近代音楽劇の起源」や、「新西洋音楽史」をはじめ、60点余りのオペラ台本翻訳などがあります。79年にはイタリア政府から Cavariere del Governo Italiano 勲章を授与され、まだまだお元気でお仕事されています。
今年度は「ボッカッチョの時代の音楽」と題して、先生の研究の中心である、14世紀の世俗歌曲を中心にした興味深いお話を頂きます。
・5月10日、木曜日 午後6時から
・国立音楽大学6号館110スタジオ
どなたでも聴講できますので、沢山の皆様のご来場をお待ちしております。

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2012年度の活動、開始!

 

お待たせしました、いよいよ2012年度の活動開始です。去る2月25日、Nino Rotaの喜劇「ノイローゼ患者の一夜」の日本初演から早いもので2か月が過ぎましたが、4月からの新年度に当たり、ほぼ昨年と同じ豪華な研究メンバーが文字通り一丸となって、イタリア近現代オペラ研究の4年目となる活動をスタートいたします。さっそく5/10のオープニングは、私たちの活動を最初から暖かく見守り、指導下さっている成城大学名誉教授で、西洋音楽史、イタリアオペラ史などの大家、戸口幸策先生による「ボッカッチョの時代の音楽」と題した特別講演会を開催、前期(~7月)には「イタリアオペラ演奏法研究」の特別研究会として、本年度は世界的な3人のソプラノ歌手(ルイザ・ジャンニーニ、下原千恵子、高橋薫子)のリレーによる声楽公開レッスンと、毎年好評の森田学先生による「イタリアオペラ台本研究会」などを柱に研究会を重ねます。さらに後期(9月~)になりますと、イタリア近代オペラに特化した講演会や、受講生たちのスキルアップを目指した研究会、試演会などを重ねながら、来年1/13に開催予定のオペラ公演、Nino Rotaの2大ラヂオ・オペラの日本初公演(「ノイローゼ患者」の再演とオペラ「内気な二人」の初演)に関するリブレット、音楽、演出等の研究を深めてゆきます。活動は新装なったオペラ・スタジオを中心にして学内で展開されますが、基本的に外部からの聴講は可能となっております。興味ある今年度のオペラ・プロジェクトくにたちの活動をスタートから追いかけてみては如何でしょうか?研究メンバー一同、沢山の興味ある方々の参加をお待ちいたしております。(主任研究員 小林一男)

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無事に公演終了しました。

 

2月25日、戻ってきた寒さの中、朝から続いた雨も午後には上がり、入り口には例年のように開場を待つ人の列。
研究所の公演も4回目となり、少しづつ地元の人たちにも認知されてきました。
今年の演目は映画音楽で有名なニーノ・ロータのオペラ、という事で、どんなものだろうかという興味津々で詰めかけた方も多かったようです。
実際には短いながらも大変面白いオペラで、演奏者、出演者たちはとても楽しく舞台作りに参加して、充実した体験となりました。
ただやはりオペラ公演という事で、2時間3時間のオペラを想像してこられた皆様には、意外だったかもしれません。
そこを、という事で、プレ・トークの時間を作り、作曲家、作品の周りのお話をさせていただきました。作曲家ニーノ・ロータのオーヴァー・ビュー的なお話を私からさせて頂き、代名詞である映画音楽については、早崎さんという素晴らしいゲストをお迎えして短い時間になってしまったのですが、とても面白いお話を頂きました。さらには現在入手可能な楽譜を探して、小林菜美先生、他にて演奏していただきました。
ヴェニスのチーニ財団のアーカイブズ・ニーノ・ロータのカタログからは沢山の演奏してみたい、音にしてみたい作品が見つかるのですが、ロータ自身の遺言により、資料全体に手を出せるようになったのが、死後十年たってからであり、またそれらを始めた研究者たちが驚くほどの、作品数とジャンルも多岐にわたったものであったがため、非常な困難を伴った作業が今まだ続けられている状態のようです。
もともと彼の映画音楽のサウンドトラックの作曲作業の特殊性ゆえか、生前にしっかりと出版された楽譜が極端に少なく、残された手書きのスケッチと実際に残された音などの資料からの楽譜化の作業が複雑を極めているようで、昨年生誕100年という事で、少し増えてはきていますが、現在もまだまだ楽譜出版されたものが少なく、入手可能なものはほとんどが、ミラノのリコルディ社と、ドイツはマインツのショット社の二か所からしか出版されていない状況です。そんな中から、今回の公演に間に合うように届いて演奏できたのが2曲。「アルフレード・カゼッラ追憶の頌歌」と「世俗カンツォーネ・馬桶(まぶね)」。さらには、届いたけど時間がなくて演奏できなかったものに、ピアノソロ用の「ファンタジー」と、ソプラノ用歌曲「ペトラルカのバッラータとソネット」他、があります。これらは新年度にどこかで演奏のチャンスを作って聞いて頂こうと思っています。オペラの方も、今回は日本初演ながら、わけあって、オーケストラを少し編曲したもので公演しましたので、新年度は、許すことなら、オリジナルなオーケストラ・ヴァージョンで演奏し、さらにはもう一つのラジオオペラ「内気な二人」 I due timidi との抱き合わせ、2作品一挙の上演を実現できればと思っています。公演に携わった関係者の皆様、当日おいでいただいた観客の皆様、全ての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
(公演総監督:小林一男)

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Nino Rota 公演に向けて no.1

 

我が研究所の活動もオペラ公演まで2か月という時期に来ました。
現在の活動は、12月14日にプロジェクト「イタリアオペラ演奏法研究」の受講生たちによる修了試演会を終えたばかりです。
いよいよあとは2月25日、日本初演となるニーノ・ロータの喜劇「ノイローゼ患者の一夜」( Dramma buffo “La notte di un Nevrastenico” , 1959) の制作活動が佳境に入ってきます。
そこで、「ノイローゼ患者の一夜」について、また作曲家、ニーノ・ロータ、および彼の作品に関する研究のレポートを、ランダムに書いてみようと思います。
2月の公演プログラム、公演前半のレクチャーの為の素材をまとめていく過程のメモ程度のつもりですので、毎回まとまって終わらないと思いますがご容赦願います。
まず第1回目は作曲者自身についてです。ニーノ・ロータ ( Nino Rota ,1911-79 ) のプロフィールと作品群を見てみましょう。

子供時代

「もしも人々が私の事を、わずかな郷愁と、沢山のユーモア・楽天的な人生などをその音楽の中に表現しようとしている者として数えているとしたら、まさにその通りに私自身は記憶されたいと思う」(ニーノ・ロータ)
ニーノ・ロータは1911年12月3日、ミラノに生まれました。わずか8歳の時に作曲したオラトリオ「サン・ジョヴァンニ・バッティスタの幼児期」( oratorio L’infanzia di san Giovanni Battista )の素晴らしさによって彼は12歳にして早くも神童との評判を受けます。ピアニストである母親はしっかりとした音楽教育を与える事を考え、ロータは同年、ミラノの音楽院 ( Conservatorio di Milano )で学び始めます。1925-26年、彼はクリスチャン・アンデルセン( H. Chr. Andersen ,1805-75 )の童話を元におとぎ話オペラ「豚の王子様」(opera favola “Il principe porcano” )を作曲します。ヒルデブランド・ピッツェッティ( Ildebrand Pizzetti ,1880-1968 ) の元での勉強に続いて、ロータは1926年にローマに行き、サンタ・チェチーリア音楽院( Conservatorio di S. Cecilia , Roma )でアルフレード・カセッラ( Alfredo Casella ,1883-1947)に師事し、3年後にはピアノと作曲のディプロマを受けます。

A.トスカニーニと

その後アルトゥーロ・トスカニーニ( Arturo Toscanini ,1867-1957)の忠告に従い、彼は1931年から32年にかけて、フィラデルフィアのカーチス音楽院( The Curtis Institute )において、作曲をロザリオ・スカレーロ ( Rosario Scalero ) 、指揮をフリッツ・ライナー( Fritz Reiner ) に学びました。アーロン・コープランド( Aaron Copland ,1900-90) と知り合い、アメリカ民俗学、ハリウッドのメイジャー映画やジョージ・ガーシュウィン( Geroge Gershwin ,1898-1937 ) の音楽などに大きな興味を発展させていきます。イタリアに戻った1937年に、16世紀の音楽学者ジョゼッフォ・ツァルリーノ( Gioseffo Zarlino ,1517-90 ) についての博士論文を完成させ、ロータは、1939年にはバーリの音楽院( Conservatorio di Musica Monopoli, Bari ) の教授として任命され、その後、同音学院の院長として1950年から1975年まで勤めました。そこでの一番有名な弟子として指揮者リカルド・ムーティ( Riccardo Muti ,1941- ) がいます。作曲家ニーノ・ロータと映画監督フェデリコ・フェリー二( Federico Fellini ,1920-93) の、人生を通しての共同作業が始まったのは1952年からでした。ロータは1979年4月10日、68歳でローマに没しました;現在、彼の膨大な財産はヴェニスのチーニ財団( La Fondazione Cini, Venezia )にて管理されています。
純音楽作家としてのロータは、まず1930年代に室内楽とオーケストラの作品で聴衆と批評家筋の両方からの注意を惹きつけます。彼は名だたる模倣者と呼ばれるほど古い音楽スタイルにこだわりを持っていました。ロータのシンフォニー作品、それはまさに古いドボルザークのスタイルの中へのロマン派音楽の結合でありましたし、一方、そういった彼の新古典主義への傾倒は、時にはパロディーの感触を見せる彼の室内楽作品の中に多く見て取ることもできます。
ロータは全部で150の映画音楽を作曲しその中にはフェデリコ・フェリーニの「甘い生活 」(La dolce vita , 1960)、「道化役者」( I clowns ,1970)、「アマルコード」( Amarcord ,1973)、「フェリーニのカサノヴァ」( Il cassanova di Federico Fellini ,1976)、ルキーノ・ヴィスコンティ( Luchino Visconti )の「山猫」(Il Gattopardo ,1963)、「魂のジュリエッタ」( Giulietta degli spiriti ,1965)やフランシス・コッポラ( Francis Coppola ) の「ゴッド・ファーザー」( The Godfather ,1972)などの屈指のクラシック作品をも含んでいます。ロータは映画監督たちの要求を満たす感覚において常に独創的であり、彼の映画音楽での大成功は、ただ単純に作曲家の極めて素晴らしいメロディーのコンセプトにばかり起因するものではなく、彼の音楽と映像の直接的な関わり方が同等に起因するものであったと考えられます。音楽そのものがメインテーマとなった「オーケストラ・プローベ」(Prova d’orchestra ,1979)は、ロータのフェリーニとの最後の共同作品となりました。ロータのコンサートホールやステージへの作品には、10のオペラ、23のバレーや舞台作品、3つのシンフォニー、それぞれピアノ、チェロのためのコンチェルト、それにたくさんの合唱作品と室内楽作品などが含まれます。オペラ「アラジンと魔法のランプ」( Aladino e la lampada magica ,1963-65)はよく知られた”アラビアン・ナイト”からのおとぎ話をベースにしたもので、1968年にナポリで初演されました。バレー組曲「想像のモリエール」( Le Molie’re imaginaire ,1976-78)はロータが劇場用に書いた重要な作品としては最後のものです。映画音楽に加えて、ピアノ・ソロからオーケストラまでの非常に広範囲な編曲作品が存在します、それはもともとロータの室内楽作品の中のヴィオラとピアノのための「Sonata en sol」(1970)とクラリネット、チェロとピアノの為の「Trio」(1973)であり、これらは今やたくさんの音楽家たちの演奏会用のレパートリーに含まれるようになっています。1973年ロータはコッポラの世紀的映画作品「ゴッド・ファーザー」の映画音楽によってグラミー賞とゴールデン・グローブ賞の両方を獲得。1975年の「ゴッド・ファーザーのパート2」の映画音楽でオスカー最優秀映画音楽賞を受賞しています。

以上のように、映画音楽の巨匠として大変有名なニーノ・ロータですが、実際には大変多くの純音楽、クラシック作品を書いています。次回はその辺を探ってみます。
(小林一男)

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20世紀のイタリアオペラ衰亡史

 

オペラプロジェクト「特別講演会」予告:
・講師 : 永竹由幸氏
・演題 : 「20世紀のイタリアオペラ衰亡史」
      ~メロディーを失って、また取り戻したイタリアオペラ~
・日時 : 11月2日(水) 18:00~19:30
・会場 : 国立音楽大学6号館110スタジオ

…ヴェリズモ・オペラは人間の感情を徹底的に刺激するメロディーで人々を夢中にさせました。
ところが、そんな音楽は俗っぽい、はしたないと軽蔑され、どんどん難しい音楽になっていきました。
それはそれなりに、よく聞くとなかなかいいのですが、大衆的には人気が出ません、口ずさめないからです。
ザンドナーイ、モンテメッチは、オテロの路線を、ヴォルフ・フェッラーリは、ファルスタッフの路線を引き継ぎ、レスピーギはその中間路線をいきました。
そして12音階を取り入れたピッツェッティと、ダッラピッコラが強烈な音楽でオペラを創作しました。
しかし大衆はソッポを向きました。芸術至上主義論者は大衆から乖離したのです。
それを元に戻そうとしたのがメノッティとニーノ・ロータです。彼らは旋律の美しさを再び恥かしげもなくオペラに取り戻したのです。
どうしてこんなことになったのか、20世紀のイタリアオペラ衰亡史をお話しします。….
                             
                                  ー永竹氏の講演レジュメよりー

 -誰でも聴講できます。たくさんの皆様のご来場をお待ちしていますー

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公開研究会「近・現代のオペラ演出をめぐって」

 

国立音大音楽研究所オペラ演奏研究部門の公開研究会が18時から19時30分まで6-113で行われました。
講師は演出家の中村敬一先生、題目は「近・現代のオペラ演出について」でした。
まず「劇場」史の概略が説明され、古代ギリシャの劇場の名称と機能が、オペラの誕生と現代まで受け継がれるオペラ上演との間でどのような関係にあるのかが説明されました。
現代の我々にとって当たり前のように思われる「リアルな(ここでは、日常的なより自然な動きや話し方による)」演劇は19世紀後半以降、求められ享受され るようになったことも指摘されました。これは、ロウソクやガスから電気照明が使えるようになったことが大きな要因となり、暗闇が作り出せる(つけたり消し たりできる)ようになったためで、さらに照明技術の進歩により演者の顔など、舞台の一部分を明るく(暗く)できることで起こった、演技・表現スタイルの大 きな変化だと説明しました。
また、日本のオペラ界(全般的には演劇界)では、長い間、翻訳劇が主流で、近年は原語上演がスタンダードになったという現状、演出や演奏解釈も翻訳された セリフからのみ行われていた経緯が話され、それと同時に原語で作品に取り組むようになると原文解釈や発音に精力を注ぐけれど、セリフの意味+αの部分、セ リフの意味するところやそこから生みだされる新たな世界のようなものについて考えることに時間を割かなく、割けなくなってきていると講師は言います。ま た、これが語学力レベルであれば翻訳されたセリフ(母国語)で読み込むことである程度解消できるけれど、国語力の低下にまで問題は進行しつつあるのではな いかと危惧しています。ここでの国語力とは、ことばによって創り出された人物像や世界を想像でき、それを再構築できるような力を指します。(我が国の外国 語教育の基本理念にも関わる問題です)
以上のことを実感するために、シェイクスピア『マクベス』から2つの場面をとりあげ(翻訳されたセリフで)台本読みを行いました。
総合芸術たるオペラに関わっていく者として、教養を身に付ける大切さを再確認した研究会でした。

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特別講演会:ヴィート・クレメンテ「若いオペラ歌手への提言」

 

国立音楽大学の音楽研究所オペラ演奏研究部門の特別講演会が今日(9月23日)、6-110で行われました。
会場の緊張した雰囲気を和らげるため自身の経験を織り混ぜたトピックを挿入しながらも、要所要所でそれらがモザイク画のように浮き上がってくるという素晴 らしい講義でした。ただ、若い学生たちにとって即効性のあるマニュアル的なアドバイスではないので、自ら目的意識を持って、目標を定め、自らの頭で考え前 進するといった強い意志を抱いた学生向けのお話だったと思います。(これはクレメンテ氏が学生たちに敬意をはらい、歌い手として接してくれていることを意 味します)
講演会の導入としてフェルマータ(corona)の意味と役割から話をスタートさせました。楽典では音符や休符のほぼ二倍と習いますが、実際にそれで大丈 夫なのかという疑問を持つところからスタートして楽譜の読み方、作者の意図をも読み解くアプローチ方法へと話題は発展します。また、劇場において時間の オーガナイザーと言うべき指揮者の仕事と時として時間を超越した場(空間)から創造する演出家との異なる世界観について触れ、二つの世界を自由に行き来し ながら、音楽劇を作っているという氏の秘密を惜しげもなく語ってくれました。この話を聞けば、なるほど、ボンジョヴァンニ社から発売されているロッシーニ 《劇場の都合と不都合》の一幕フィナーレの完成された世界を、なぜ完全なライヴ録音で残すことができたのかが分かります。
さらに、なぜオペラが総合芸術と言われるのかについて考えました。芸術監督の視点からみたオペラ、歌を介して演じる人と声を出す人の違い、セリフの意味と 意味するところを声でいかに伝えるか、それがどのように作曲されているか、今日明日に分かることではないかもしれないけれど、歌手として劇場人となるため には非常に重要なポイントを次々とお話されました。
休憩をはさんで、後半はレクチャー・レッスンが行われました。
良い声と良き師を得ること(これは運にも恵まれなければなりませんが)の大切さ。それらは、スタート地点に立つことで、次に何を求めて行くのかについての お話。オーディションで何を求められるのか、チャンスは突然やってくること、それをものにできる準備しておくこと、イタリアで学び・歌いたいならイタリア 語をマスターしておくこと(もう少しソフトな言い方でしたが)、などなど。五年、十年と経ったときに、その学生が歌い手としてしっかり歩んでいたら、座右 の銘になってもおかしくないような厳しくも暖かい提言がいっぱいつまった素晴らしい講演会でした。

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